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密教秘密仏教の略。仏の教説のうち最も深遠な教えは常人には容易にうかがい知ることのできない秘説であるといった考え方から､仏教を顕教(けんぎょう)と密教に分かつようになる。真言密教はこうした立場に立つ。平安時代には密教が全盛で､真言宗の乗密(東寺の密教)に対し､天台宗のなかにも台密(天台の密教)が成立した。これらの密教は､ロに真言を唱え､身に印契(いんけい首結ぶというような､きわめて象徴的な行為･儀礼を通して､最高の真理を体現しようとする。護摩(ごま)を焚くのも､智恵の火で煩悩の迷いを焼き尽くそうという象徴的な修法のひとつ。それがやがて呪術的な祈祷仏教に移っていった。とは…
